これから出産を控えるママや、子育てが初めての方にとって、
赤ちゃんの母乳やミルク・離乳食の進め方は不安に思う場合が多いかもしれません。
授乳期から離乳食期は、歯並びや口腔機能の発達に大きく影響します。
最近では赤ちゃんの口腔機能の低下が増えてきているようです。
お口の機能をしっかりと育て、赤ちゃんが正しい歯並びで健やかに成長していけるように
母乳やミルク・離乳食の与え方や進め方についてお伝えします。
赤ちゃんにとって母乳やミルクを飲むこととは?
乳児期前半の赤ちゃんにとって、母乳やミルクは
赤ちゃんに必要とされる栄養が全て含まれています。
また、母乳やミルクを飲むことは、噛む筋肉(咀嚼筋)を鍛えて、
食べる機能の発達にもつながります。
授乳では、噛む力や正しい嚥下を身につけることが重要で
機能が十分発達しないまま離乳食へ移行することは
その後のお口の機能の発達に悪影響が出てしまう可能性があるので注意が必要です。
母乳の場合、赤ちゃんは下顎を前に出して上下運動(噛む動き)をしています。
吸引をしているのではなく、唇と舌で乳首を取り込み、
舌で乳首を上顎に押し付けて絞り出しています。
一方で哺乳瓶哺乳の場合、筋活動が少なく吸引して飲むため、
噛むトレーニングにならない可能性があります。
哺乳瓶を使用する場合は
咬合型乳首という乳首(ビーンスターク ニプル)がおすすめです。
母乳を吸う時と同じように
舌やあごの筋肉をしっかり使って飲むような作りになっているので
赤ちゃんに必要な“噛む動き”や“舌の動作”を身につけることができます。
授乳時の姿勢(注意点)
赤ちゃんにとって気持ちよく飲める姿勢であることが重要です。
脇抱きや縦抱きは、赤ちゃんにとって負担になる場合があります。
首が後ろ方向になる姿勢や身体がねじれた姿勢は浅飲みや
正しい嚥下が定着しないので注意しましょう。
離乳食開始の目安について
●ミルクを上手に飲める力がついていること
離乳食は飲み込む力が十分についていることが前提です。
お腹が空いて母乳やミルクを飲んでから
次に飲むまで一定の間隔を空けられる。
これらの生活リズムが安定しているのが重要です。
●座った状態が保てること
腰がすわり、体幹が安定していることは
正しい姿勢で食べる上でとても大切です。
身体の発達が未熟なうちに離乳食を始めると
誤飲・誤嚥の危険性もあるので注意が必要です。
上半身が安定していると、赤ちゃんも口が動かしやすいです。
●赤ちゃんが食事を欲しがる状態であること
周りが食べている物に手を伸ばす、よだれを流すことは
赤ちゃんが食べ物を欲しがっているサインです。
離乳食が嚥下できる状態であるという目安にもなります。
離乳食の進め方について
この時期の成長には個人差があります。
どの月齢までにどの段階というのはあくまで目安のため、
お子様の成長に合わせて進めていくことが大切です。
▽離乳食の進め方の目安
【初期】唇を閉じて飲み込めるようになる状態
【中期】舌と上顎で食べ物を潰すことができ、飲み込めるようになる状態
【後期】歯茎で食べ物を潰せるようになる状態
【完了期】歯茎や歯で食べ物を噛み潰せるようになる状態
離乳食の正しい与え方が歯並びにも影響します
離乳食を与える際に注意したいのが
“スプーンは下唇につけて口が閉じたらまっすぐに抜く”ということです。
スプーンを上にあげる形で無理に食べさせると、上顎に食べ物がたまり、
すり潰す動作ができなくなってしまいます。
すり潰しの動作ができないと、舌を正しく使うことが出来ず
正しい飲み込みができなくなってしまします。
その結果、顎の発達が不十分になり、
乳歯・永久歯の歯並びに影響する可能性があるため、
食事介助をする際は、お口からのスプーンの抜き方に注意するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
離乳食は赤ちゃんの成長に合わせて、一つずつ段階を経て、進めていく必要があります。
赤ちゃんは何でも口にものを入れて感触を確かめ
さまざまな感覚を体験することで、感覚機能を育てていくのです。
離乳食でさまざまな食べ物を食べて、感触、味を確かめる経験をすることが、
子どもの発達を促すことにもつながります。
母乳やミルク、離乳食については注意する点がたくさんあり
どの時期にどのように進めていくのが良いのか
個人差があって困ってしまうことが多いと思います。
そんな時はぜひ当院にお気軽にご相談ください。
管理栄養士・経験豊富な口育士がお悩みをお伺い致します。