歯周病とは?子供でもリスクはある?
歯周病とはどんな病気かご存知ですか?
歯が十分に磨けていないと、歯垢(プラーク)という
細菌の集まりが、歯と歯茎の間の溝にたまります。
この細菌の中には、歯周病原菌がいて、その感染によって炎症がおこり
歯を支える歯肉や骨が溶けてしまう病気です。
最悪の場合、歯を支えることが出来ず、歯を失ってしまうリスクがあります。
歯周病はこの細菌が繁殖することで起こります。
歯茎が赤くブヨブヨとした感じになったり、出血しやすくなるのは
細菌による毒素によって炎症を起こしているからです。
歯周病は痛みなどの自覚症状がないため
発見した時はかなり進行している場合が多いのです。
歯周病は、大人だけでなく子供もかかるリスクがありますが
子供の場合は、歯茎が赤くはれて、歯磨きの時などに出血する
「歯肉炎」になることが多いです。
乳歯が生える6~7ヶ月頃、永久歯が生える6~7歳頃に
歯磨きが不十分だと歯肉炎にかかるリスクがあります。
虫歯予防と同じように、普段からお子様の歯や歯茎の
状態を健康にたもつことが重要です。
歯周病と全身疾患の関係性
歯周病は糖尿病や心臓病をはじめとする、全身の様々な病気と関係しています。
出血や膿のある歯肉ポケットからは、炎症に関連する化学物質(TNF-α)が
血管を通って体内にめぐってしまうためです。
歯周病の方は、そうでない方と比べて、炎症を起こすリスクが高まるため
病気にかかることも多くなるのです。
【脳卒中】
歯周病が血管内の炎症を起こし、動脈硬化の原因を作り、血栓ができます。
その血栓が脳でつまることにより、脳卒中を引き起こします。
【糖尿病】
歯周病の毒素はインスリンの正常な働きを悪くします。
それにより、健康な状態と比べて2倍も糖尿病にかかるリスクがあります。
歯周病が原因で糖尿病になることもありますし、
糖尿病が原因で歯周病になりやすいとも言えるのです。
【誤嚥性肺炎】
唾液と一緒に歯周病菌が肺に入りこむことで、肺炎を引き起こすリスクがあります。
高齢者で飲み込みづらさを感じている方は
口腔内をしっかりケアしておくことが大切です。
【心臓病】
歯周病菌が心臓の弁に入ると
細菌性心内膜症を引き起こし、心臓発作のリスクが高まります。
【低体重児の出産・早産】
歯周病の炎症が、胎児の成長にも悪影響を与えます。
低体重児の出産や早産のリスクは、通常に比べ約7倍になると言われています。
子供を歯周病(歯肉炎)から守るために
近年、子供が歯周病(歯肉炎)になってしまうことが増えています。
糖を摂取することが多いなどの、生活習慣の乱れが関係しているようです。
子供を歯周病(歯肉炎)から守るためには、
小さいときからのバランスの良い食生活や正しい生活習慣をととのえることが大切です。
また親が歯周病になっている場合、子供にうつってしまうリスクもあるため、
親世代も歯周病にかからないように注意しましょう。
また、症状が出てから歯医者に行くのではなく
ご家族そろって、歯や歯茎のケア、虫歯や歯周病(歯肉炎)になっていないかの
チェックをおこなう、定期的な検診による予防がとても大切です。